北陸新幹線には「はくたか」と「かがやき」という2種類の列車がありますが、違いがよく分からないという方も多いのではないでしょうか?
どちらも東京~金沢間を結ぶ新幹線で、見た目はほとんど変わりがありません。
しかし、停車駅、速さ、運行形態に違いがあり、利用シーンによって選び方が変わります。
「かがやき」は最速で移動できる速達型で、「はくたか」は途中駅に多く停車する準速達型です。
また、車両のデザインやロゴ、自由席の有無など細かな違いもあるんです。
本記事では、両者の違いを見た目や特徴を中心に徹底比較し、あなたに最適な列車選びをサポートします。
「はくたか」と「かがやき」とは?北陸新幹線の2種類を解説
北陸新幹線の概要:「はくたか」と「かがやき」の位置づけ
「はくたか」と「かがやき」は、どちらも北陸新幹線を走る列車です。
北陸新幹線は、東京駅と金沢駅を結ぶ新幹線路線で、2024年には敦賀まで延伸されました。
この路線には、速達型・準速達型・各駅停車型の3種類の列車が運行されています。
そのうち、「かがやき」は速達型、「はくたか」は準速達型に分類されます。
「かがやき」は東京駅と金沢駅を最速で結ぶ列車であり、途中の主要駅のみに停車するため、移動時間を短縮できます。
一方、「はくたか」は停車駅が多く、より広範囲の乗客に利用される列車です。
そのため、目的地や移動時間に応じてどちらの列車に乗るかを選ぶことが重要になります。
「はくたか」「かがやき」「つるぎ」「あさぎ」の違いとは?
北陸新幹線には、「はくたか」と「かがやき」のほかに、「つるぎ」や「(新設予定の)あさぎ」もあります。
それぞれの特徴を以下の表で比較してみましょう。
列車名 | 種別 | 主な運行区間 | 停車駅数 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
かがやき | 速達型 | 東京~金沢 | 少ない | 最速で移動できる |
はくたか | 準速達型 | 東京~金沢 | 多い | 停車駅が多く、多方面に対応 |
つるぎ | 各駅停車型 | 金沢~富山 | 全駅停車 | 区間運行が中心 |
あさぎ | 新設予定 | 未定 | 未定 | 詳細は今後発表 |
「かがやき」は速達型で停車駅が少ないため、特に東京~金沢間を素早く移動したい人に向いています。
一方、「はくたか」は各地に停車するため、新潟や富山などの中間駅を利用する人に適しています。
また、「つるぎ」は金沢と富山間の移動に特化しており、主に通勤や観光客向けの列車となっています。
「はくたか」と「かがやき」の違いを比較!【見た目・デザイン】
外観の違い:デザイン・色使い・ロゴの特徴
「はくたか」と「かがやき」は、どちらも北陸新幹線のE7系・W7系車両を使用しているため、基本的なデザインは共通しています。
しかし、細部のロゴや運行情報表示の違いにより、見分けることができます。
まず、外観の色使い に注目すると、どちらの列車も北陸新幹線のコンセプトカラーである「白・青・銅色(ブロンズ)」を採用しています。
ボディは白を基調とし、窓周りに青のライン、車両下部にはブロンズのラインが入るのが特徴です。
このデザインは「北陸の空と海(青)」「雪(白)」「伝統工芸・銅器(ブロンズ)」をイメージしており、上品で洗練された印象を与えます。
一方で、ロゴの違い も注目ポイントです。
「かがやき」のロゴには、”Kagayaki” の英語表記が施されており、速達型の列車であることを示しています。
「はくたか」も同様に “Hakutaka” の英語表記が入っており、準速達型の列車であることが分かるようになっています。
また、行き先表示器(LED表示)にも「かがやき」「はくたか」と明示されるため、駅での見分けも容易です。
車両のデザインは同じ?形式や編成の違いをチェック
「はくたか」と「かがやき」は、どちらも E7系・W7系車両 を使用しているため、車両の基本構造に違いはありません。
E7系はJR東日本が所有し、W7系はJR西日本が所有している車両ですが、外観・内装ともにほぼ同じ設計になっています。
しかし、列車の 編成 には若干の違いがあります。
「かがやき」は原則として 12両編成 で運行されるのに対し、「はくたか」は 一部の列車が10両編成で運行 されることがあります。
これは利用客の多さやダイヤの関係によるものであり、列車ごとに違いが生じる点です。
そのため、乗車する際には、編成の長さにも注意するとよいでしょう。
どちらもE7/W7系!車両番号での見分け方
「はくたか」と「かがやき」は同じE7系・W7系を使用しているため、車両番号によって見分けることも可能です。
車両には、それぞれの形式に応じた番号が付与されており、E7系は “F編成”、W7系は “W編成” という表記が使われます。
列車名 | 車両形式 | 編成記号 | 所有会社 |
---|---|---|---|
かがやき | E7系 / W7系 | F編成 / W編成 | JR東日本 / JR西日本 |
はくたか | E7系 / W7系 | F編成 / W編成 | JR東日本 / JR西日本 |
駅や車庫で新幹線を観察する際に、車両の側面や連結部にある形式表示を確認すると、「E7」か「W7」かを見分けることができます。
とはいえ、これらの違いは一般の乗客にはほとんど影響しないため、見た目で気にすることは少ないでしょう。
「はくたか」と「かがやき」の違いを比較!【車内設備・内装】
座席の違いはある?普通車・グリーン車・グランクラスを比較
「はくたか」と「かがやき」は、どちらも E7系・W7系車両 を使用しているため、基本的な座席の仕様は共通しています。
新幹線の座席は、大きく分けて 普通車・グリーン車・グランクラス の3種類があります。
以下に、それぞれの特徴を比較しました。
座席タイプ | 座席配置 | 特徴 |
---|---|---|
普通車 | 2+3列 | 標準的なシート。全席コンセント付き |
グリーン車 | 2+2列 | 座席が広く、リクライニングの角度が大きい |
グランクラス | 2+1列 | 最高級シート。軽食・ドリンクのサービス付き |
普通車は標準的なシート配置で、多くの利用客に適しています。
一方、グリーン車は座席の横幅が広く、足元もゆったりしているため、長時間の移動に適しています。
さらに、最上級クラスである グランクラスでは革張りの高級シートが採用され、専属アテンダントによる軽食やドリンクのサービスが提供されます。
なお、「はくたか」と「かがやき」では 座席の違いはありません。
しかし、列車の運行時間帯や混雑状況によって快適性が異なるため、乗るタイミングによって利用しやすさが変わることもあります。
車内設備・サービスの違いは?コンセント・Wi-Fi・車内販売
車内設備についても、両者に大きな違いはありません。
どちらの列車もE7系・W7系を使用しているため、設備の仕様は統一されています。
主な車内設備を以下にまとめました。
✅コンセント:全座席に設置(窓側・通路側・中央席すべて利用可能)
✅Wi-Fi:北陸新幹線無料Wi-Fiサービスあり(通信速度に制限あり)
✅車内販売:2023年以降、一部区間で廃止(駅の売店での購入が推奨)
✅トイレ・多目的室:全車両に設置(バリアフリー対応)
特に、コンセントが全席に備わっている点は、長距離移動において非常に便利です。
また、無料Wi-Fiが提供されているものの、混雑時やトンネル区間では通信が不安定になることもあります。
そのため、モバイル通信を併用するのが望ましいでしょう。
なお、「かがやき」は停車駅が少ない分、車内販売を利用する機会が少なくなります。
飲み物や軽食を購入したい場合は、乗車前に駅構内で用意しておくのがおすすめです。
乗車体験の違いは?快適性や混雑状況を比較
快適性や混雑状況は、「はくたか」と「かがやき」で異なります。
特に、かがやきは速達型のため、ビジネス利用が多く、平日朝夕の時間帯は混雑しやすい傾向があります。
一方、「はくたか」は停車駅が多いため、観光客や地元の移動者の利用が多く、曜日や時間帯によって混雑の程度が変わります。
●混雑しやすい時間帯の傾向
かがやき:平日朝夕(ビジネス利用が集中)
はくたか:週末・祝日(観光客の利用増加)
また、自由席の混雑度も異なります。「かがやき」は全車指定席のため、自由席を利用したい場合は「はくたか」を選ぶ必要があります。
ただし、「はくたか」の自由席も週末や連休中は混み合うことがあるため、事前に指定席を予約しておくのが安心です。
「はくたか」と「かがやき」の違いを比較!【運行・停車駅・区間】
速さ・所要時間の違い:「かがやき」は最速!
「はくたか」と「かがやき」は、どちらも東京~金沢間を走る北陸新幹線の列車ですが、所要時間には大きな違いがあります。
「かがやき」は速達型、「はくたか」は準速達型であり、停車駅の数が異なるため、移動時間に差が生じます。
以下は、東京~金沢間の所要時間の比較です。
列車名 | 所要時間(東京~金沢) | 平均速度 |
---|---|---|
かがやき | 約2時間30分 | 約210km/h |
はくたか | 約3時間 | 約190km/h |
「かがやき」は主要駅のみ停車するため、最速で移動できます。一方、「はくたか」はより多くの駅に停車するため、所要時間が長くなります。
特に、短時間で移動したいビジネス客には「かがやき」が適している でしょう。
一方で、「はくたか」は長野や富山などの途中駅で降りる場合に便利です。
停車駅の違い:「はくたか」と「かがやき」はどこに停まる?
停車駅の違いは、「はくたか」と「かがやき」を選ぶ際の大きなポイントです。
「かがやき」は速達型のため、停車駅が限られています。
一方、「はくたか」は停車駅が多く、途中駅での乗り降りが可能です。
以下に、両列車の停車駅を比較しました。
駅名 | かがやき 停車 | はくたか 停車 |
---|---|---|
東京 | ● | ● |
上野 | ▲(一部停車) | ● |
大宮 | ● | ● |
長野 | ● | ● |
上越妙高 | ▲(一部停車) | ● |
富山 | ● | ● |
金沢 | ● | ● |
※「▲」は一部列車のみ停車
「かがやき」は基本的に 東京・大宮・長野・富山・金沢 のみ停車します。一方、「はくたか」は 上野・上越妙高 などの途中駅にも停車し、より多くのエリアの乗客に対応しています。
料金の違いは?指定席・自由席・グランクラスを比較
「はくたか」と「かがやき」の運賃・料金は基本的に同じ ですが、自由席の有無が異なります。「かがやき」は全車指定席のため、自由席を利用できるのは「はくたか」のみです。
東京~金沢間の主要な料金を比較すると、以下のようになります。
座席タイプ | かがやき(全席指定) | はくたか(指定・自由席あり) |
---|---|---|
自由席 | なし | 14,120円 |
指定席 | 14,380円 | 14,380円 |
グリーン車 | 19,290円 | 19,290円 |
グランクラス | 27,270円 | 27,270円 |
「かがやき」は全席指定席のため、自由席で料金を抑えたい場合は「はくたか」を選ぶと良い でしょう。
ただし、「はくたか」の自由席は混雑しやすいため、確実に座りたい場合は指定席を予約するのがおすすめです。
どっちに乗るべき?「はくたか」と「かがやき」の選び方
旅行・観光ならどっち?おすすめの利用シーン
北陸地方を観光する場合、「はくたか」と「かがやき」のどちらを選ぶべきかは、訪れる目的地によって異なります。
「かがやき」がおすすめの人
●東京~金沢間を最短時間で移動したい
●長野・富山・金沢など主要観光地に直接向かう
●長時間の移動を避け、快適に旅を楽しみたい
「はくたか」がおすすめの人
●長野・上越妙高などの中間駅で降りる予定がある
●途中下車して北陸地方の各地を巡る観光を楽しみたい
●自由席を利用して少しでも安く移動したい
例えば、東京から金沢まで一直線に移動したいなら「かがやき」 が最適です。
一方で、途中の長野や上越妙高などに立ち寄りたい場合は「はくたか」 を選ぶと便利です。
出張・ビジネスならどっちが便利?時間と快適性で比較
出張やビジネス利用の場合、重要なのは 移動時間の短さと快適性 です。
そのため、基本的には 「かがやき」がおすすめ です。
「かがやき」のメリット(ビジネス向け)
●停車駅が少なく、東京~金沢間を約2時間30分で移動可能
●速達型なので、移動時間を最短にできる
●乗客の多くがビジネス利用のため、比較的静かな環境
ただし、「かがやき」は全席指定席のため、直前の予約では満席になっている可能性もあります。
特に平日の朝夕は混雑しやすいため、早めに指定席を確保するのがポイント です。
「はくたか」を選ぶ理由
●直前に自由席で乗車できる可能性がある
●途中駅(長野・上越妙高など)で降りる場合に便利
もし直前の移動で「かがやき」の指定席が満席の場合は、自由席のある「はくたか」に乗るのも一つの手です。
ただし、「はくたか」の自由席は混雑しやすいため、乗車時間によっては立つ可能性もあることを考慮しておきましょう。
金沢・富山・長野・東京から乗る場合の選び方
どの駅から乗るかによっても、最適な列車は変わります。
それぞれの駅ごとのおすすめ列車を紹介します。
✅東京から乗る場合
最速で金沢に行きたい → 「かがやき」
途中駅(長野・上越妙高など)に行く → 「はくたか」
自由席で乗りたい → 「はくたか」
✅金沢から乗る場合
東京まで直行したい → 「かがやき」
途中駅で降りる予定がある → 「はくたか」
✅富山から乗る場合
東京まで早く行きたい → 「かがやき」
長野や上越妙高へ行く → 「はくたか」
✅長野から乗る場合
東京まで最速で移動したい → どちらでもOK(所要時間はほぼ同じ)
上越妙高・富山・金沢へ行く → 「はくたか」
このように、目的地と乗る駅によって最適な列車を選ぶことが重要 です。
特に東京~金沢間の直行なら「かがやき」、中間駅での乗り降りがあるなら「はくたか」という選び方が基本になります。
まとめ
「はくたか」と「かがやき」は、どちらも北陸新幹線を代表する列車ですが、その違いを理解することで、目的に合った最適な選択ができます。
「かがやき」は速達型で最速の移動が可能です。
東京~金沢間を最短約2時間30分で結び、停車駅が少ないため、ビジネス利用や移動時間を短縮したい人に向いています。
ただし、全席指定席のため自由席はなく、満席の場合は事前予約が必須 です。
「はくたか」は準速達型で停車駅が多いのが特徴です。
長野・上越妙高・富山など、途中駅を利用する人に適しており、また自由席があるため、直前でも乗りやすい というメリットがあります。
ただし、所要時間は「かがやき」よりも長くなるため、移動時間を優先する場合は注意が必要です。
また、どちらの列車も E7系・W7系車両を使用 しており、外観・内装・座席設備に大きな違いはありません。
しかし、運行形態や混雑状況、乗車のしやすさが異なる ため、利用シーンに応じた選び方が重要です。
どちらを選ぶべきかのポイント
●最速で移動したいなら「かがやき」(全席指定席・速達型)
●途中駅で降りるなら「はくたか」(準速達型・停車駅が多い)
●自由席を利用したいなら「はくたか」(かがやきには自由席なし)
●東京~金沢間を快適に移動したいならグリーン車・グランクラスを利用
このように、「はくたか」と「かがやき」、それぞれの違いを理解し、目的に応じた列車を選ぶことで、快適でスムーズな移動が可能になります。
特に、旅行やビジネスでの移動では、停車駅や所要時間の違いを考慮することが重要です。
北陸新幹線を利用する際は、事前にダイヤを確認し、あなたにぴったりな列車を選んでくださいね。
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